大塚芳忠も昔は普通の人だった。

夕食時から相方が「エルガイム」のDVDをかけはじめました。

当時の宮城では確か土曜の6時30分、いつものサンライズ枠で放送していた作品でした。開始当初は毎回見ていましたがそのうち良くわからないストーリー展開とテンポについてゆけず、そしてさすがのアニメっ子だったわたしも年齢と共にアニメ離れというものを自覚したのです。

何話目かまでは見たんだけど、すっかり忘れているのでテキトーな箇所から。アムがレッシィに騙されてダバとは違う場所に行く?みたいな。わたしにとって別段大きな意味を持つ作品ではなかったのですが、今は別。だって大塚芳忠さんが毎回出ているんだもの。
準主役級で出演していた彼でしたが、当時は「なんだか浮かれたキャラだなぁ」くらいにしか思ってませんでした。その後数年。スタートレックを経て、大塚芳忠氏は郷田ほづみ氏に続く「動いた姿一目惚れ」。「隠居した大学の先生」みたい。イイ。

開始直後は「レオリオ(ハンター×ハンター)での郷田ほづみっぽい声の出し方?」なんて印象でしたが・・・ずっと見てるとすっごく面白いっ。
自分の中でエルガイム出演者の演技はちょっと納得いかないものばっかりで落ち着かず芳忠氏も最初はお世辞にも上手とはいえないのですが、ある時、「うん、変わってる?」と思いました。
何話だろう、宇宙のコクピットで「光が見える」と言った台詞を聞いた直後、相方と「上手くなってる」と顔を見合わせたのです。ガンダムのゲームにハマっていた相方は「これだとあのゲームのヤザンっぽいよな」「ここでもきっかけは『光が見える』ってか。」とか(何言ってるんだろう)。

それまでは声が浅くて演技も一本調子だったのが、声もはっきりして張りが出てるし、台詞内でのテンポとか力の入れ方が変わっている。すごいなぁ、たった数ヶ月でこんなに変わるんだ・・・。
今はそれこそ完璧な演技とすごいテンションで圧倒される彼の演技ですが、それは努力あってのものだったというのを感じたのです。
その後キャオが出ずっぱりの回なんて、今の演技に近くなってるもん。すごいわ。また惚れた。

もうこれは彼の成長を見るアニメとして、最後まで見よう、そして終わったらもう一回見よう。そう思ったのです。あの大塚芳忠も最初からあの大塚芳忠ではなかったのだと思うと感慨深いです。役者を長く見るって楽しいですね。彼がエルガイム後、どんな風に老けていくかすごい楽しみ。あー、好きだ。芳忠演技ラブ。

バンキシャ!」ではなんてたって「生放送でブースに座ってVTR見ながらしゃべる大塚芳忠」を考えるのが楽しい。「録音スタジオで本番前に一人、壁に向かって暗く役つくりをする新人・郷田ほづみ」「録音スタジオで一人、名台詞集という名目で『ハァ・・・ハァ・・・』と言わされる郷田ほづみ」も楽しいけど、いたぶられる姿が似合う似合う郷田さんと違ってお仕事する姿がカッコいいんだろうなぁ、的な面白さ。